第2章「表層系・i字系」河口湖バス釣りヒットルアー解説

「表層系・i字系」講師は中田敬太郎プロ

春から爆発、炸裂の「表層系・i字系」って何だ?

小魚に似た自然なシルエットで水面付近を攻略するためのルアー

小魚に似せたシルエットでバスにアピールするルアーは、
「ミノー」や「シャッド」という形が、以前より存在しており、
「表層系・I字系」というルアーは
「ミノー」や「シャッド」をベースに登場した比較的新しいジャンルのルアーだ。

「表層系・I字系」と「ミノー」や「シャッド」との違いは、
「リップ」を持っているかいないかというところがその相違点。

リップ=水を受ける抵抗板の効果により、
ルアーは潜ったり、ブルブルとアクションをするが、、
「表層系・I字系」にはこれがないため、特に大きな動きはしない。

このあまりバタバタ動かないというのがミソであり、
弱った小魚が漂い、波に煽られ水面に流されている感じを再現した、
「泳がないこと」でアピールするルアーが登場したのだ。

ブラックバスが水面付近に居るエサを狙っているタイミングでパワーを発揮!

「リップ」をもたない表層系ルアーはその比重が、
水より軽ければ浮き、重ければ沈んでいく。

沈むルアーであってもリールを巻けば、とたんに
糸の抵抗でルアーは浮き上がってくる。

このため、「表層系・I字系」は水面近くを攻略することが得意なルアーといえる。
また水面近くで使うことで、バスがアタックしてくる一部始終が見える。
非常にエキサイティングな釣りが楽しめるルアーなのだ。

シラウオの動きが河口湖の表層・i字系のはじまり

河口湖バスが「表層系・i字系」に反応し始める水温=6度、その理由は…

河口湖のブラックバスが春にエサとして意識することが多い「シラウオ」
水辺では早春3月からその姿を確認することができる。

このシラウオが産卵のため岸辺に近づくのが水温約6度〜7度の状況。

このシラウオの接岸とバスのポジションがリンクするのが、
10度〜11度を越えたタイミング。

この時、河口湖の表層系が最盛期を向かえる。
シラウオは風による湖流によって打ち寄せられ、浅場に寄って来る為だ。

このため、「風向き」と「岸際ギリギリ」がシラウオ表層系のキーワードとなる。

オカッパリの場合は、せっかくのポイントをつぶしてしまうことになるので、
まずはいきなり岸際に立たず離れてアプローチすることがポイント。

また。この時期の河口湖は西から東に風が吹くことが多いため、
西向きの比較的水深のある溶岩帯やブレイク(急な落ち込み)がある場所を
探して釣っていくことが釣果を伸ばす秘訣となるのだ。

オイカワの産卵とリンクする5月後半が「表層系・i字系」の第2波

「表層系・I字系」の有効期間はその後も続く。

5月半ば、水温が16度を超えるあたりから、
次はオイカワが産卵のため岸に近寄りはじめる。

このオイカワを狙ってブラックバスは再び水面を意識し始めるのだ。

シラウオの時期との違いは水温上昇に伴うバスの活性。
この時期になると、水温が上がってバスも動きが活発になり、
元気にエサを追いかけます。つまり早いルアーの動きに対応できるようになる。

このため、シラウオの時期よりルアーを早く巻くほうが効果的なことが多い。

朝・夕方などの時間帯は河口湖のシャロー(浅場)で活発に動き回る
オイカワの群れと、それを追いかけるバスの姿を発見できるはず。

このシチュエーションはオイカワの産卵が終わっても、
8月〜9月まで続く。この時期ブラックバスは
繁茂するウィード(水草)の中に隠れてオイカワの到来を待ち受けている。

このような瞬間に出会ったらぜひ「表層系・I字系」を試してみてほしい。
忘れられない一匹との出会いが待っているはずだ。

おすすめはアイテムは、ティムコ「デルゼ70F」「グロッキー」など

フローティングならティムコ「デルゼ70F」「グロッキー」!

講師の一押し「表層系・I字系」ルアーはティムコ「デルゼ70F」(→近日発売予定)

リップやプロペラが無く、
ルアー自体の存在感だけでバスにアピールするタイプ。

この「デルゼ70F」は着水すると水に浮かぶフローティングタイプ。
水面に漂う弱った小魚をイミテートしているのだ。

さらに浮きの姿勢は「斜め45度」
起き上がりこぼしのように、波や風によって
フラフラ・ヨタヨタとロールアクションをするようにできている。

つまり、投げてそのまま放置しておくだけで、バスにアピールする、
今までの「表層系・I字系」にはない機能を備えているのが「デルゼ70F」なのだ。

もうひとつの「表層系・I字系」ルアーはティムコグロッキー
こちらには水に浮くフローティングと、水とほぼ同じ比重のサスペンドタイプがある。

「グロッキー」はトリプル(3本)フックではなくシングル(1本)フックが
腹と尻尾に装着されており、バスをおびえさせる針の存在を最小限にし、
また、これにより水面・水中での姿勢が非常に安定していることが最大の特徴だ。

シンキングタイプなら「ステルスペッパー」がオススメ!

ティムコが製造するシンキングスクリューが
ステルスペッパー
シンキング=水よりも比重が重い、すなわち水に落とすと沈むタイプだ。

ボディーの前後には極薄のプロペラがセットされ、
小魚が泳ぐときにヒレが生み出す波動を再現している。

このプロペラは金属製で極薄に作られ、
鋭い回転の立ち上がりを実現しているのが大きな特徴。
またプロペラを前後反対方向に回転させることにより、
片寄ったりせず、まっすぐな航跡で泳がすことができるように
設計されている。

さらに水に浮かばないことによって、
水面直下を速い速度で引いてくることが可能となる。
これは、バスが水面を割ってまで小魚をアタックして来ないような、
シチュエーションや、エサの小魚の動きが早い
水の暖かい時期で有効ということになる。

それぞれ、河口湖の水中をよく観察し、
小魚の動きやバスの動きに合わせて
有効なルアーをチョイスしてみてほしい。

バイトの瞬間が見えるエキサイティングな釣り!

デルゼ70Fの使い方は投げて「ほっとけ」!裏技「風ドリフト」も!

これら「表層系・I字系」ルアーの使い方はいたって簡単。
バスが居そうな場所に投げて、ただリールを巻くだけである。

水面そのもの、または水面直下でバスが食ってくるため、
釣り人からアタックの瞬間すべてが見える。
一度味わったら病み付きになるような、
非常にエキサイティングな釣り方、パターンだと断言しよう。

また、風の強く吹くことの多い河口湖では、
左図のような、風に釣り糸を流してもらうような、
風によるドリフト作戦も有効となることが多い。

「デルゼ70F」はそのような使い方で最大のパワーを
発揮するように作られた「ほっとけ最強」ルアーだ。

投げたら放置。風に糸を流してもらい、
ルアーの泳ぐ方向をコントロールするという
裏技的なアプローチである。

風により引っ張られた糸のたるみを利用して、
より長くコースを取ったり、
釣り人やボートの存在をバスに悟られないための工夫だ。

ステルスペッパーは早巻きが出すV字波動で誘う!

「ステルスペッパー」はスクリューの波動がバスにアピールするタイプ。
スクリューが気持ちよく回転する速度でリールのハンドルを巻くのが効果的。

そして、高水温時期にはバスやオイカワの泳ぎの速さに合わせ、 「高速巻き」が有効となる。

具体的にはステルスペッパーが水面の直下ギリギリを、
プロペラがV字の波紋を描くようなスピードで巻いてくるイメージである。

水温が上がって来たらデルゼをシェイクしながら「ロール巻き」

梅雨〜夏場の高い水温の時期における「デルゼ70F」の
裏技的な使い方として、「ロール巻き」を紹介する。

斜め45度で起き上がりこぼしの原理でロールアクションする
「デルゼ70F」は、着水後ロッドを細かくシェイク(揺らす)しながら
リールのハンドルを巻くことにより、

「ロールしながらまっすぐ泳ぐ」といった独特なアクションを
出すことができる。ほかのルアーには無い
「デルゼ70F」だけの泳ぎ方。

ウィードの上を通したとき、ブラックバスはたまらず
水面に飛び出してくることが多いのでお勧めである。

キャッチ率を上げるルアーチューン

アタックの瞬間を見逃すな!「インディケーターチューン」

繰り返しになってしまうが、
「表層系・I字系」はバスのアタックの瞬間が見える、
非常にエキサイティングな釣り方。

すなわち、「常にルアーから目を離さない」こと。
これが釣果を伸ばすための、重要ポイントとなる。

しかし風や波でただよう小さなルアーは、意外に
注意していても見失いやすいものだ。

このため、水面の乱反射を防ぐよく見える偏光グラスは必須。
(キャリルではティムコ「サイトマスター」をオススメしている。)

このほかに、ルアーの背中に
蛍光インディケーターを貼り付けるチューンも超有効な手段だ。

いつでもバスがアタックしてくる可能性のある、
「表層系・I字系」では、キャッチ率に大きくかかわる
ルアーチューニングとなる。

「表層系・I字系」を極めるためのベストタックル

表層系・i字系はフッキングに難あり。ロングロッドが強力アシスト!

「表層系・I字系」の釣りにおける最大の難関があるとすれば、
フッキング(バスを針ががりさせること)といえるだろう。

突然、水面近くにバスが現れ、ルアーにアタックするため、
アワセ(釣竿をあおって針にかけること)がワンテンポ遅れがちになるのだ。

遅れた分すでにバスの口からルアーは離れ、
いわゆる「すっぽ抜ける」になってしまう事が非常に多い。

アングラーにとっては非常に悔しい瞬間だ。

これを防ぐ強力な武器が「強めのロング(長い)」釣竿となる。
具体的にはフェンウィック「GWT72SLP+J」や「TPMX610SLP+J」。

これらのロッドは力のあるしっかりした長いバット部
(いわゆる胴の部分) が特徴。ロッドを同じだけ煽った場合でも、
短いロッドに比較して、実際にルアーが移動するストロークは長くなる。

この差がフッキング率に大きく影響するのだ。

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講師プロフィール

河口湖・山中湖・西湖が守備範囲の人気フィッシングガイド!

中田敬太郎(なかだ けいたろう):ホームレイク・河口湖・山中湖・西湖

河口湖・山中湖・西湖をフィールドにバスフィッシングガイドサービスを提供。
各湖のバスの動きだけでなく、そのエサとなる小魚・甲殻類の動きにリンクした、
理論的でわかりやすいガイドスタイルが人気。

ホームページ:http://nakadarfc.m24.coreserver.jp/
ブログ:「敬ちゃんのブログ」:http://ameblo.jp/bassyama/
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